すでに亡くなった……。

何で?

何で七海が死ななくちゃならないの?


『柚乃ちゃん。何か七海に変わったはなかったかい?私たちは何もわからなくて。どんな事でもいい。何か知っていれば教えて欲しいんだ』

「す、すぐ行きます!」


電話を切った後、すぐに七海の家に向かう準備をして家を出る。

何かの間違いであって欲しいと願いながら、タクシーに乗り込んだ。

気持ちを落ち着かせるように、タクシーの中でも祈るようにギュッと両手を合わせて握りしめていた。

ただ、それでも震えは止まらなかった。


七海の家に着くと、色々な人が出入りしているのが見えた。

中には救急隊や警察官の姿もあって、まるでテレビドラマのワンシーンを見ているようだった。


「おじさん……!」

「柚乃ちゃん……」


ちょうど警察官と話しながら出てきたおじさんに声をかけると、私に気付いたおじさんがこちらを向く。

その顔は、いつも笑顔で出迎えてくれる表情とは違って、ひどく青ざめていて生気を失っていた。