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シルベスター祭は日夜を通しておこなわれる。その日は朝から仮装した人々でごった返していた。ことに混雑していたのは闘技場のまわりだった。テーブルが並べられ、酒や料理の出店がにぎわいを見せている。観客は腰を据え、闘う者の到来を心待ちにしていた。
セリアは「ヴェルモア島の魔女」というタグで売られていた、ノースリーブでスリットの入った黒いドレスを纏い、レプリカの杖を携えた。
「どう? ちょっと大胆だったかなぁ」
くるりと身を翻すと長いスカートがきれいな円を描く。妖艶な雰囲気にブリリアンは思わず目をそらした。
「セ、セリア、なかなか似合っているよ、うん」
「魔法使いはこうでなくちゃね。けれどなんでブリリアンはその格好を選んだのよ」
ブリリアンは道着に鉢巻きで、いかにも武道家といったいでたちだ。
「へへっ、これは僕の作戦だ。相手に魔法使いと気づかれないためのな」
セリアはアージェたちを島に入れるための作戦を思いついた。それは「一番偉い門番を落として入島の許可をもらっちゃいましょうよ!」という、突拍子もないものだ。
ブリリアンは断ったらセリアに見限られると思い、自棄になって戦う覚悟を決めた。けれど戦いの経験など無きに等しい彼は、苦肉の策として『武闘家のふりをして魔法で不意打ち作戦』を思いついたのだ。
「……なんだかちょっと卑怯な作戦よね」
ブリリアンはセリアの冷たい視線を受け猛反論する。
「そっ、そんなことを言うな! 勝負ってのは強いから勝てるんじゃない! 勝った者が強いんだ!」
「ううん、負けてもだいじょうぶ。後ろにはわたしが控えているから」
「少しは僕の男気に期待してくれよセリアァァァ!」
闘技場に着くと、粗鋼のようなたくましい体の男が観客に迎えられていた。「ルーザー! ルーザー!」とひときわ大きな歓声が彼を包み込んでいる。セリアはその男を睨みつける。
「入島の時にいたリーダー格の門番よ。あの人を標的にする」
ふたりは黒のマスクをかぶって顔を隠す。ルーザーと呼ばれた男は、両手を上げて観客を鼓舞している。
挑戦者を求めるかけ声が鳴り響く。セリアがブリリアンに視線を向けた。
「ブリリアン、準備はいい?」
「あっ、ああ。セリア、僕の強さを見せてやるからなぁ!」
ブリリアンは高らかに叫ぶ。
「僕が受けて立とう、『マッスル・オア・マジック!』」
緊張で声が裏返った。視線が集まりあたりが静まり返る。駆け足で闘技場に上がろうとすると、足が震えて階段でつまずいた。
「はうっ!」
観客の失笑を買いつつも起き上がり、闘技場に上がったところでルーザーを指さして挑発する。
「だからマッスル・オア・マジックだってば!」
「は? 顔を隠しても貧弱なオーラがダダ漏れだぞ?」
ルーザーは余裕の笑みを浮かべ、指を三本、突き立てて宣言する。
「先に言っておいたほうが親切だろう。俺に負けたら金貨を三枚、置いていけ」
金貨三枚は結構な価値である。暗に「やめておけ」と言っているようなものだ。けれどブリリアンの心は、いや懐はその程度では屈しなかった。
「へっ、そんなのお安いもんだ! 金貨三枚程度、この場で耳を揃えて支払ってやるぞ!」
「おいおい、やり合う前から負けるつもりか?」
「そういう意味じゃねえ! 僕は金持ちだって言いたいだけだ!」
「そうか。じゃあ容赦せず殴らせてもらおう」
拳を力強く握りしめるルーザー。するとブリリアンは深々と腰を折る。
「いや、むしろ金貨三枚渡すから、僕のお願いを聞いてください!」
「はぁ?」
突然の弱腰にブーイングが飛び交う。小柄な審判の男が構わず旗を振り上げる。「バトル・スタート!」
「ちょっ、ちょっと待ってェェェ!」
「いや、おまえもう『マッスル・オア・マジック』を宣言したよな?」
ルーザーは呆れ顔でブリリアンを見下ろして戦闘の構えをとる。
ブリリアンはおたおたとして後ずさりする。けれどこれはブリリアンの作戦だった。相手を油断させて時間を稼ぎ、手中に炎の魔法を発動させる作戦だ。
――『紅炎の――』
だがルーザーはすかさず床を蹴り、目にも止まらぬ早さでブリリアンの懐に飛び込んでいた。瞬きをした刹那を見逃さなかったのだ。
「はうっ!? ちょっ……!」
「遅いッ!」
ルーザーの肘がブリリアンのみぞおちに突き込まれる。
「ぐげぶぉおおッ!!」
目を見開いて頭から床に倒れこむブリリアン。勝負が決したのは明らかだった。
「今、魔法を発動させようとしただろう?」
「なっ……なんでわかったんだよぉ……」
「おまえは戦いに慣れていないな。生粋ならば相手の魔力ぐらい感知しろよ」
ルーザーは嘲るように笑い、手のひらに炎の魔法を発動させた。相手も生粋だったから、ブリリアンが魔法を発動させようとすれば気づくのだ。
「女の前で恥ずかしいところを見せたな。金貨を受け取る価値もない。とっとと立ち去れ!」
「ぐっ……!!」
ブリリアンは這いつくばって闘技場を降りてゆく。嘲笑の渦がブリリアンを飲み込んでいた。
「すっ……すまない。ぜんぜん手に負えなかった」
「ううん、ブリリアンはよくやってくれたわ。じゅうぶんよ」
「は?」
「これで相手のスピードと魔法の属性が掴めたから」
今度はセリアがルーザーに向かって叫ぶ。
「ルーザーさん、次はわたしのお相手をしていただけないかしら。『マッスル・オア・マジック!』」
「はぁ? 彼氏の仇討ちなんてやめとけよ」
「そうじゃありません。勝てると思うから挑むのです。それからこの人は彼氏でもなんでもありませんから!」
観客は爆笑した。ルーザーも口元を弓型にしならせる。
「ほぉ、じゃあ俺が勝ったら一晩付き合ってもらうが、それでいいか?」
「構わないわ。でもわたしが勝ったら、ひとつだけお願いを聞いてくださるかしら」
「よかろう、そうなることはないだろうがな」
「承知しました」
セリアは闘技場に上がり、ルーザーと距離を取ってレプリカの杖を構える。戦いの幕が開けた。
「バトル・スタート!」
号令が響いた瞬間、ルーザーは躊躇なくセリアの間合いに飛び込む。手刀で杖を叩き折った。
「これで魔法は封じられただろう?」
けれど魔力が消えることはない。セリアがレプリカの杖を手にしていたのは、自身から発せられる魔力を、杖の持つ魔力と思い込ませるためのカモフラージュだった。しかも、ブリリアンの戦いをみて魔法の詠唱に必要な距離を推し測っていた。
その証明を示すかのごとく、セリアの腕は強烈な風をまとっている。
「残念ですが――それは勘違いというものです」
「貴様、生粋の風魔法使いだったのかッ!」
――『昇爆の風!』
ルーザーの体が風に巻き込まれ、高々と空へ舞い上げられる。
――『風の遊歩道!』
両脚に風を纏い、杖を投げ捨てて空へと飛び立つ。空中で決着をつけるつもりだ。
「地に足がつかなければ、あなたの戦闘力は役に立ちませんね」
「俺を騙したあざとさは認めてやる。だが――」
ルーザーは空中で火の魔法を発動させた。両手に大きな炎の塊を形成する。
「飛行魔法は風を呼び寄せるのだろう? 炎を巻き込んだら大火傷するよなぁ」
燃え盛る炎の玉がセリアに撃ち込まれる。風が炎を吸い込んでセリアに襲いかかる。
「ご名答。――でもそうはいかないわ」
セリアは予想していたかのように風魔法を解除し、空中を舞いながら別の魔法を詠唱する。
――『爆裂竜巻!』
「魔法を切り替えただとォ! しかも疾いッ!」
強烈な風が手のひらから放たれ、ルーザーの放った炎を巻き込んで火の槍を形成する。燃えたぎる槍がルーザーの顔面を容赦なく襲う。
「強力な魔法を放った後は、反動で無防備になりますよね。もちろん炎への耐性だって失われるはずです」
「ぐっ……!」
ルーザーは全身をのけぞらせ、かろうじて攻撃をかわした。いや、セリア自身がわずかに軌道をずらしたのだ。かすめた髪が散り散りに燃える。
「俺にわざと魔法を放たせたというのかッ!」
「もちろんです。――ほら、動揺して隙だらけですよ」
――『降裂の風!』
間髪入れず魔法を切り替える。ルーザーは身構える間もなく闘技場の床にたたき落とされ、衝撃で身悶えする。
――『風刃!』
セリアは地上に降り立ち、風の刃を首元に突きつけた。
「あなたは手の内を見せすぎました。まだ戦うなら手加減しませんが、続けますか」
「い、いや、もういい。……降参だ」
荒い息づかいでルーザーは負北を認めた。盛大な拍手喝采が闘技場に沸き起こる。喧騒の中、セリアはしゃがんでルーザーの耳元にそっと声を落とす。
「それでお願いですが――日没と同時に非常口の裏門を開けてくださらないかしら。約束を守らなければ、わたしすごく怒りますよ?」
緩やかに口角を上げたセリアだったが、その眼光の鋭さは有無を言わせぬ迫力に満ちていた。
シルベスター祭は日夜を通しておこなわれる。その日は朝から仮装した人々でごった返していた。ことに混雑していたのは闘技場のまわりだった。テーブルが並べられ、酒や料理の出店がにぎわいを見せている。観客は腰を据え、闘う者の到来を心待ちにしていた。
セリアは「ヴェルモア島の魔女」というタグで売られていた、ノースリーブでスリットの入った黒いドレスを纏い、レプリカの杖を携えた。
「どう? ちょっと大胆だったかなぁ」
くるりと身を翻すと長いスカートがきれいな円を描く。妖艶な雰囲気にブリリアンは思わず目をそらした。
「セ、セリア、なかなか似合っているよ、うん」
「魔法使いはこうでなくちゃね。けれどなんでブリリアンはその格好を選んだのよ」
ブリリアンは道着に鉢巻きで、いかにも武道家といったいでたちだ。
「へへっ、これは僕の作戦だ。相手に魔法使いと気づかれないためのな」
セリアはアージェたちを島に入れるための作戦を思いついた。それは「一番偉い門番を落として入島の許可をもらっちゃいましょうよ!」という、突拍子もないものだ。
ブリリアンは断ったらセリアに見限られると思い、自棄になって戦う覚悟を決めた。けれど戦いの経験など無きに等しい彼は、苦肉の策として『武闘家のふりをして魔法で不意打ち作戦』を思いついたのだ。
「……なんだかちょっと卑怯な作戦よね」
ブリリアンはセリアの冷たい視線を受け猛反論する。
「そっ、そんなことを言うな! 勝負ってのは強いから勝てるんじゃない! 勝った者が強いんだ!」
「ううん、負けてもだいじょうぶ。後ろにはわたしが控えているから」
「少しは僕の男気に期待してくれよセリアァァァ!」
闘技場に着くと、粗鋼のようなたくましい体の男が観客に迎えられていた。「ルーザー! ルーザー!」とひときわ大きな歓声が彼を包み込んでいる。セリアはその男を睨みつける。
「入島の時にいたリーダー格の門番よ。あの人を標的にする」
ふたりは黒のマスクをかぶって顔を隠す。ルーザーと呼ばれた男は、両手を上げて観客を鼓舞している。
挑戦者を求めるかけ声が鳴り響く。セリアがブリリアンに視線を向けた。
「ブリリアン、準備はいい?」
「あっ、ああ。セリア、僕の強さを見せてやるからなぁ!」
ブリリアンは高らかに叫ぶ。
「僕が受けて立とう、『マッスル・オア・マジック!』」
緊張で声が裏返った。視線が集まりあたりが静まり返る。駆け足で闘技場に上がろうとすると、足が震えて階段でつまずいた。
「はうっ!」
観客の失笑を買いつつも起き上がり、闘技場に上がったところでルーザーを指さして挑発する。
「だからマッスル・オア・マジックだってば!」
「は? 顔を隠しても貧弱なオーラがダダ漏れだぞ?」
ルーザーは余裕の笑みを浮かべ、指を三本、突き立てて宣言する。
「先に言っておいたほうが親切だろう。俺に負けたら金貨を三枚、置いていけ」
金貨三枚は結構な価値である。暗に「やめておけ」と言っているようなものだ。けれどブリリアンの心は、いや懐はその程度では屈しなかった。
「へっ、そんなのお安いもんだ! 金貨三枚程度、この場で耳を揃えて支払ってやるぞ!」
「おいおい、やり合う前から負けるつもりか?」
「そういう意味じゃねえ! 僕は金持ちだって言いたいだけだ!」
「そうか。じゃあ容赦せず殴らせてもらおう」
拳を力強く握りしめるルーザー。するとブリリアンは深々と腰を折る。
「いや、むしろ金貨三枚渡すから、僕のお願いを聞いてください!」
「はぁ?」
突然の弱腰にブーイングが飛び交う。小柄な審判の男が構わず旗を振り上げる。「バトル・スタート!」
「ちょっ、ちょっと待ってェェェ!」
「いや、おまえもう『マッスル・オア・マジック』を宣言したよな?」
ルーザーは呆れ顔でブリリアンを見下ろして戦闘の構えをとる。
ブリリアンはおたおたとして後ずさりする。けれどこれはブリリアンの作戦だった。相手を油断させて時間を稼ぎ、手中に炎の魔法を発動させる作戦だ。
――『紅炎の――』
だがルーザーはすかさず床を蹴り、目にも止まらぬ早さでブリリアンの懐に飛び込んでいた。瞬きをした刹那を見逃さなかったのだ。
「はうっ!? ちょっ……!」
「遅いッ!」
ルーザーの肘がブリリアンのみぞおちに突き込まれる。
「ぐげぶぉおおッ!!」
目を見開いて頭から床に倒れこむブリリアン。勝負が決したのは明らかだった。
「今、魔法を発動させようとしただろう?」
「なっ……なんでわかったんだよぉ……」
「おまえは戦いに慣れていないな。生粋ならば相手の魔力ぐらい感知しろよ」
ルーザーは嘲るように笑い、手のひらに炎の魔法を発動させた。相手も生粋だったから、ブリリアンが魔法を発動させようとすれば気づくのだ。
「女の前で恥ずかしいところを見せたな。金貨を受け取る価値もない。とっとと立ち去れ!」
「ぐっ……!!」
ブリリアンは這いつくばって闘技場を降りてゆく。嘲笑の渦がブリリアンを飲み込んでいた。
「すっ……すまない。ぜんぜん手に負えなかった」
「ううん、ブリリアンはよくやってくれたわ。じゅうぶんよ」
「は?」
「これで相手のスピードと魔法の属性が掴めたから」
今度はセリアがルーザーに向かって叫ぶ。
「ルーザーさん、次はわたしのお相手をしていただけないかしら。『マッスル・オア・マジック!』」
「はぁ? 彼氏の仇討ちなんてやめとけよ」
「そうじゃありません。勝てると思うから挑むのです。それからこの人は彼氏でもなんでもありませんから!」
観客は爆笑した。ルーザーも口元を弓型にしならせる。
「ほぉ、じゃあ俺が勝ったら一晩付き合ってもらうが、それでいいか?」
「構わないわ。でもわたしが勝ったら、ひとつだけお願いを聞いてくださるかしら」
「よかろう、そうなることはないだろうがな」
「承知しました」
セリアは闘技場に上がり、ルーザーと距離を取ってレプリカの杖を構える。戦いの幕が開けた。
「バトル・スタート!」
号令が響いた瞬間、ルーザーは躊躇なくセリアの間合いに飛び込む。手刀で杖を叩き折った。
「これで魔法は封じられただろう?」
けれど魔力が消えることはない。セリアがレプリカの杖を手にしていたのは、自身から発せられる魔力を、杖の持つ魔力と思い込ませるためのカモフラージュだった。しかも、ブリリアンの戦いをみて魔法の詠唱に必要な距離を推し測っていた。
その証明を示すかのごとく、セリアの腕は強烈な風をまとっている。
「残念ですが――それは勘違いというものです」
「貴様、生粋の風魔法使いだったのかッ!」
――『昇爆の風!』
ルーザーの体が風に巻き込まれ、高々と空へ舞い上げられる。
――『風の遊歩道!』
両脚に風を纏い、杖を投げ捨てて空へと飛び立つ。空中で決着をつけるつもりだ。
「地に足がつかなければ、あなたの戦闘力は役に立ちませんね」
「俺を騙したあざとさは認めてやる。だが――」
ルーザーは空中で火の魔法を発動させた。両手に大きな炎の塊を形成する。
「飛行魔法は風を呼び寄せるのだろう? 炎を巻き込んだら大火傷するよなぁ」
燃え盛る炎の玉がセリアに撃ち込まれる。風が炎を吸い込んでセリアに襲いかかる。
「ご名答。――でもそうはいかないわ」
セリアは予想していたかのように風魔法を解除し、空中を舞いながら別の魔法を詠唱する。
――『爆裂竜巻!』
「魔法を切り替えただとォ! しかも疾いッ!」
強烈な風が手のひらから放たれ、ルーザーの放った炎を巻き込んで火の槍を形成する。燃えたぎる槍がルーザーの顔面を容赦なく襲う。
「強力な魔法を放った後は、反動で無防備になりますよね。もちろん炎への耐性だって失われるはずです」
「ぐっ……!」
ルーザーは全身をのけぞらせ、かろうじて攻撃をかわした。いや、セリア自身がわずかに軌道をずらしたのだ。かすめた髪が散り散りに燃える。
「俺にわざと魔法を放たせたというのかッ!」
「もちろんです。――ほら、動揺して隙だらけですよ」
――『降裂の風!』
間髪入れず魔法を切り替える。ルーザーは身構える間もなく闘技場の床にたたき落とされ、衝撃で身悶えする。
――『風刃!』
セリアは地上に降り立ち、風の刃を首元に突きつけた。
「あなたは手の内を見せすぎました。まだ戦うなら手加減しませんが、続けますか」
「い、いや、もういい。……降参だ」
荒い息づかいでルーザーは負北を認めた。盛大な拍手喝采が闘技場に沸き起こる。喧騒の中、セリアはしゃがんでルーザーの耳元にそっと声を落とす。
「それでお願いですが――日没と同時に非常口の裏門を開けてくださらないかしら。約束を守らなければ、わたしすごく怒りますよ?」
緩やかに口角を上げたセリアだったが、その眼光の鋭さは有無を言わせぬ迫力に満ちていた。