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第1回『コルマール(フランス)』

ストラスブールから電車で30分ほど走るとコルマール駅に到着します。
降りて振り返ると、素敵な駅舎が佇んでいました。



コルマールの人口は67,000人ほどで、こじんまりとしていますが、それでもアルザス地方第2の都市であると共に、ワイン街道のほぼ中間に位置することから『アルザス・ワインの首都』とも呼ばれています。

駅前は閑散としているのですが、少し歩いて旧市街へ向かうと、景色が一変します。お伽の国へ入ったような感じになるのです。正にメルヘンの世界。

特に、『プティット・ヴニーズ(小さなベニス)』と呼ばれているエリアは絵本の中に迷い込んだような錯覚を覚えます。



細い運河に沿って14~18世紀に建てられたコロンバージュと呼ばれる木組の家々がパステルカラーに彩られ、至る所に花が飾られており、男の私でも「かわいい」と呟いてしまったほどです。

中心部にはどこかで見たことのあるような建物がありました。『プフィスタの家』です。コルマール最初のルネサンス建築で、16世紀建築の傑作と言われているようですが、なんと、ジブリ映画『ハウルの動く城』のモデルになった建物でもあるそうで、宮崎駿さんがここに来たのかと思うと、暫し立ち止まって見入ってしまいました。



お店やレストランもきれいに飾られています。
カラフルな色彩に何度も足が止まってしまいました。







観光者らしき人が上を見ていたので、その方に目をやると、教会の屋根の上に大きな鳥が巣を作っていました。コウノトリです。ちょうど子育て中のようで、親がヒナを見守っているようでした。『幸せを呼ぶ鳥』として大事にされているようで、巣をよく観察すると足場が人工的に作られており、アルザスの人々の深い愛情を感じました。

更に街を歩いていると、かわいい店飾を見つけました。コウノトリの人形です。花と額縁でデザインされたそのセンスに脱帽しました。



音が聞こえてきたのでその方向に向かうと、個性的なストリート・ミュージシャンが現れました。女性が持つユニークなベースが目を引き、多くの人が立ち止まって聞いていました。
ヨーロッパでは路上ライヴを見る機会が多いのですが、コルマールでも何度か見かけました。中でも、若い男性3人組の演奏は素晴らしいもので、特にバイオリニストの熱演には大きな歓声と拍手が沸いていました。





滞在していたのは7月の中旬で、フランスの革命記念日を迎えることになりました。建国記念日と呼ばれる重要な日で、ホテルのスタッフから「お店はほとんど閉まってしまう」と言われていたので、スイスのバーゼルへ日帰りで行ってきました。その運賃に驚きました。通常料金の70%引きだったのです。3割引きではなく7割引き。パリのルーブル美術館の入場料が終日無料になるのは知っていましたが、国鉄の運賃まで特別になっているのには目がパチクリでした。でも、フランス国民だけでなく、旅行者にも分け隔てなく還元してくれるなんて“粋”ですよね。

夕方、バーゼルから帰ってきたのですが、その静けさにまた驚きました。深夜までどんちゃん騒ぎをしているものと思っていたのですが、そうではありませんでした。パリのような大都会ではイベントが目白押しのようですが、そうではないところでは静かに祝うのかもしれません。

それでも、私は存分に楽しむことができました。ホテルの大画面テレビで大写しになったエッフェル塔を見たり、豪華な舞台での華やかなコンサートやショーを堪能できたからです。そういえば、別名『パリ祭』と言われていたなと思い出し、群を抜いたパリの賑やかさに納得できました。日本人である私にこの祭りは関係ないのですが、この偶然に感謝して、ワインの入ったグラスをテレビに向かって掲げてしまいました。



コルマールの7月中旬の気温は、最高が25度前後、最低が15度前後と過ごしやすく、訪問を考えている方にはお勧めの季節です。

中世の面影が残るコルマール。
可愛い街並みと美しい花々に囲まれたコルマール。
美味しい料理とワインがリーズナブルに楽しめるコルマール。
お伽の国『コルマール』へ是非足をお運びください。