青春・恋愛
完
- 作品番号
- 1731603
- 最終更新
- 2024/08/25
- 総文字数
- 8,395
- ページ数
- 6ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 9
- あらすじ
- 僕は不思議な本を買った。
ハードカバーに白紙だけでできている、何も書かれていない本。
手に取ってしまったら気になってしまう。
仕方なくメモ帳にしようとしたところで、彼女に声をかけられた。
「……待って、書かないで」
ビー玉のような瞳が僕を掴んで離さない。
書いても良いよと教えてくれたのは、君への手紙。
「そう。ペンフレンドになろうよ」
この作品の感想ノート
感想を失礼いたします。
文通という温かくて懐かしい言葉に胸が熱くなる感覚がしました。
SNSの時代、手軽に相手のことを知れて、相手が好きなものなどを聞かずとも分かるのは、ある種のメリットです。ですが、そんな時代の中でも文通でお互いを知っていく……その大切さを、なんだか思い出させてくれたような気がしました。
白紙の本をきっかけに始まるエピソードが素敵で、2人の心情もリアルで痛いほど胸に染みます。
全体的にテンポが良くて、文章も非常に読みやすく、大変楽しく拝読させて頂きました。
素敵な作品をありがとうございます。
お疲れ様です! 拝読させて頂きました!
僭越ながら、感想を残させて頂きます。
まずは、うさぎさんらしい練りに練られたストーリー力に感服いたしました!
まるで引寄されるようにして手にした、名もなき本。空白の中にひとつだけ刻まれた「こい」。その意味を知った時、儚げに揺れる小さな影に思わず胸が締めつけられる思いでした。
運命よりももっと大きな命。宿命と呼んでもいい程の出会いに誘ったその本の中身こそ空白ではあったものの、妹さんの「こい」という名前に乗せられた思いが綴った、まさにノンフィクションの、2人という物語になっていく過程はせつなくもあり、温かく優しい気持ちに満たされて行きました。
空白だったページが2人の言葉で埋め尽くされていく。そしてそれは間違いなく妹さんが繋いだ絆。たったひとつだけの質素な本は、3人の共同で描かれたひとつの命として、これからの人生として続いてくのだろうなと感じました。
意味のないが意味になる。その瞬間の幸福感。満ち足りていく感覚を、読んでいくうちに、自然と頭の中でイメージできるような素敵な物語でした。
恐らくで申し訳ないのですが、イラストから物語を描くコンテストに応募された作品でしょうか?
お間違えがなければ、あのイラストからここまでの物語を膨らませられる想像力は素直に敬服の念を抱きました。
素敵なお時間を頂きありがとうございました!
これからもご無理のない範囲での活動、頑張ってください!🍅
感想ノート、失礼します。
お店で見ると、特別感があってお宝を発見したような気分だったのに、いざ買って時間が経つと、その輝きが失われていく描写が、とてもリアルに感じました。
途端に価値のないものに見えて、メモ帳にでもしようとした瞬間の出逢い。
一冊のノートが繋いだ縁は運命のようで、二人が言葉を重ねるほどに、ノートが輝きを取り戻していったように思えました。
気軽にやり取りできるスマホではなく、手書きのメッセージでのやり取りは、今だからこそ、素敵に感じますね。
どこにでもありそうなノートが、特別で何物にも変えられない宝物になっていく時間が、彼の心情を表しているようでした。
心理描写とノートの見え方を上手く掛け合わせているな、と。
素敵な物語を、ありがとうございました!
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