あなたを知らない方がきっと人生は楽で、
けれど味気なかった。

あなたのせいで流した涙が確かにある。
それはわたしの心に少なからず跡を付けていて、
もうきっと生まれたままの姿には戻れない。

けれど死ぬまで、わたしは今のわたしを悔やめない。

あの日のわたしには、
紛れもなくあなたが必要だった。

深く沈んだ海の底。
息もままならないわたしに酸素を運んでくれたのは、
世界でただ一人あなただった。


これからも泣くでしょう。
胸の痛みと共に眠る夜もあるでしょう。

それでも、どうせ誰しもが
痛みを知らずに生きられないのなら

わたしはあなたのせいで傷付きたい。