きみは恋をすると、とても不器用になる。

耳まで真っ赤になって、声だって震えて
挨拶もろくにできないくらい。

それをわたしは、よく知ってるの。
だってずっと、すぐ横で見てきた。


「あ、おはよ。なあ、今日の課題やった?」

赤くならない君の耳。
楽しそうな声。

きみはわたしの目を、いつもまっすぐ見てくる。


「……やってるけど、見せてあげないからね」


───ねえ、

そんなに眩しく、笑いかけないでよ。