誰かのせいにしたかった。

指先に触れるきみの感触
笑うのが下手くそだったこと

好きだった。
風が凪ぐみたいな声だった。

───消したくないの、きみのせい。

色素の薄い瞳が揺れていた

陽の光に負けてしまうから、
夏はいつもまぶしがってた。

───消せないの、わたしのせい。

あの日の"さよなら"が揺らいでいく。