この世界は不思議に満ちています。文明が進化し、科学が進歩して、宇宙に飛び立つ時代になっても、不思議な事は無くなったりしません。
 この世界に住むのは人だけではありません、動物や虫に植物だけでもありません。たぶん誰もが見えていないだけなんです。誰もが気が付いてないだけなんです。でも、そこには必ずいます。可愛い妖精さんの姿が。

 太陽が温かく私達を包み込んでくれる様に。
 月が穏やかに夜空を照らしてくれる様に。
 私達の傍には良き隣人が居るんです。

 でも、なぜか人には見えません。居るのに誰にも気が付かれない、そんな悲しい事は他に無いんです。
 必死にアピールしても、人は気が付いてくれません。頑張って人の手助けをしても、やっぱり人は気が付いてくれません。どれだけ話しかけても、どれだけ笑いかけても、人は無反応です。
 
 でも妖精さん達は、いつか人と遊びたいと思ってました。妖精さん達は、いつか人とお話ししたいと思ってました。

 だから、妖精の王様はず~っと探していました。自分達と一緒に笑い合ってくれる人を、自分達と一緒に泣いてくれる人を。何千年も何万年も、悠久の時間をかけて探し続けていました。
 そして、妖精の王様はついに見つけました。虹色に輝く魂を持って生まれて来た人を、自分達と共に歩んでくれるだろう人を。

「ほう、この子なら我らと共に居てくれるかもしれんな」

 これは妖精さんに愛された、女の子の物語です。女の子は妖精さんと一緒に、笑って楽しんで、時に頑張ります。
 可愛らしくてマイペースな妖精さん。寂しい時には傍に居てくれます。でも、時に厳しい妖精さんは少女と一緒に頑張ります。
 
 さぁ、妖精さんとの暮らし。始まり始まり。