ーーー花嫁が落ちてきた
それは晴空に矛盾して、小雨が降ったある日のこと。
川沿いの高架下で雨宿りをしていた僕は、突然どこからか現れた見知らぬ彼女の純白ドレス姿に息を呑んだ。小雨に打たれて濡れているのかと思いきや、目には大粒の涙を溜めている。何が何だか、もはや夢なのかと思ったほどだ。
けれどその姿がくるおしいほどに綺麗で、なぜか僕まで泣いてしまいそうだった。
その時、大袈裟かも知れないけれど、僕には本当に、彼女が僕の元へ「落ちてきた」ように見えたのだ。
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