エレベーターのボタンを押す。来るまで時間がかかる。もう暑くなってきた。風も夏の風をしている。春は短命な気がする。
「冴先輩おはようございます!」
そんなことを考えていたら陽斗くんが後ろに立っていた。それと同時にエレベーターの扉が開いた。ようやく来たと思って挨拶を返す前に乗った。
「おはよう」
すぐに陽斗くんが乗ってきた。陽斗くんは暑いためかスーツを着崩している。
「突然暑くなってきましたよね〜先週まで過ごしやすい気温だったのに」
「本当にそうだよねー」
エレベーターの中の時間は意外と長く感じた。
「今週も頑張りましょうね」
「そうだねー」
私は眠い目を擦って自分の机に向かった。窓から見える空も夏の命を灯していた気がした。
「お疲れ様です先輩帰らないんですか?」
もう定時の時間か。だがまだもらった仕事が終わっていない。残業するしかないか。別に帰ってもすることはないし。
「まだ仕事が終わってないから今日は残業するよ」
あと1時間すればこの量は終わるだろう。
「俺も手伝います流石にこの量は一人で終わりませんよ」
椅子に座り直して私の机にあった資料の半分くらいを自分の机に持っていった。なぜ持って行ったのだろう。一人でできるのに。
「先輩はいつもこの量を一人でやってるんですか?」
「うん」
「すごいですね尊敬しますほんとに」
「尊敬ってどういう感情?」
「え?」
気になった。尊敬とはどういうことを言うのだろうか。どういう状態?
「あれ冴ちゃん残業?」
「仕事終わってないから」
翔が来た。来る時間が少し遅かった気がする。
「僕も手伝うよ」
翔も私の残り少ない資料を持って行った。隣の私の同僚の机のパソコンを勝手に起動して仕事をしている。
「お二人って大学どこなんですか?」
三人とも黙々とやっていたから沈黙が嫌だったのだろうか。
「そこらへんの大学だよ」
言う必要はない。言っても何にもならないから。
「僕と冴ちゃんは東大出身だよー」「
「え!?」
「しかも冴ちゃんは首席で僕は次席」
「お二人ともすごいんですね‥」
東大とはそんなにすごいのだろうか。大学を聞かれた時に東大と言うとみんな目を丸くして決まり文句を言ってくる。私には凄さが分からない。
「終わりました」
エンターキーの音と同時だった。陽斗くんは新人の中でも結構な速さで仕事ができる方だと思う。速さ勝負はしていないが、私、翔、陽斗くんの順番で終わった。翔の5分後くらいに陽斗くんが終わった。入ったばかりなのに同じ資料の量で翔の5分さで終われるとはすごいことな気がする。
「うん完璧」
私が翔と陽斗くんが処理した資料を確認したがミスひとつなかった。確認作業が早く終われた。時計を見るとあれから1時間が経っていた。
「お二人は今度の飲み会参加するんですか?」
飲み会‥?新人歓迎会のことだろうか。新人が入社した時に催すものだが、社員や社長の予定のせいで今年は例年より遅い時期に開催すると言っていた気がする。
「来月の22日だよ冴ちゃん参加する?」
私は別に行っても行かなくてもいいがお酒を飲むのはあまり好きではない。あまり摂取したことがない得体の知れない液体が血液によって全身を駆け回るのが嫌いだ。
「でも新人の教育係は強制参加って言ってた気がします」
うちの会社は自由なところをまだ社会の知識もない大学生に精一杯宣伝しているがこういうところはまだ一昔前だ。
「強制参加なら行くしかないでしょ」
「じゃあ僕も行くー」
来月の22日だともう半袖状態だ。そんな季節の飲み会は一番嫌いだ。
「冴先輩おはようございます!」
そんなことを考えていたら陽斗くんが後ろに立っていた。それと同時にエレベーターの扉が開いた。ようやく来たと思って挨拶を返す前に乗った。
「おはよう」
すぐに陽斗くんが乗ってきた。陽斗くんは暑いためかスーツを着崩している。
「突然暑くなってきましたよね〜先週まで過ごしやすい気温だったのに」
「本当にそうだよねー」
エレベーターの中の時間は意外と長く感じた。
「今週も頑張りましょうね」
「そうだねー」
私は眠い目を擦って自分の机に向かった。窓から見える空も夏の命を灯していた気がした。
「お疲れ様です先輩帰らないんですか?」
もう定時の時間か。だがまだもらった仕事が終わっていない。残業するしかないか。別に帰ってもすることはないし。
「まだ仕事が終わってないから今日は残業するよ」
あと1時間すればこの量は終わるだろう。
「俺も手伝います流石にこの量は一人で終わりませんよ」
椅子に座り直して私の机にあった資料の半分くらいを自分の机に持っていった。なぜ持って行ったのだろう。一人でできるのに。
「先輩はいつもこの量を一人でやってるんですか?」
「うん」
「すごいですね尊敬しますほんとに」
「尊敬ってどういう感情?」
「え?」
気になった。尊敬とはどういうことを言うのだろうか。どういう状態?
「あれ冴ちゃん残業?」
「仕事終わってないから」
翔が来た。来る時間が少し遅かった気がする。
「僕も手伝うよ」
翔も私の残り少ない資料を持って行った。隣の私の同僚の机のパソコンを勝手に起動して仕事をしている。
「お二人って大学どこなんですか?」
三人とも黙々とやっていたから沈黙が嫌だったのだろうか。
「そこらへんの大学だよ」
言う必要はない。言っても何にもならないから。
「僕と冴ちゃんは東大出身だよー」「
「え!?」
「しかも冴ちゃんは首席で僕は次席」
「お二人ともすごいんですね‥」
東大とはそんなにすごいのだろうか。大学を聞かれた時に東大と言うとみんな目を丸くして決まり文句を言ってくる。私には凄さが分からない。
「終わりました」
エンターキーの音と同時だった。陽斗くんは新人の中でも結構な速さで仕事ができる方だと思う。速さ勝負はしていないが、私、翔、陽斗くんの順番で終わった。翔の5分後くらいに陽斗くんが終わった。入ったばかりなのに同じ資料の量で翔の5分さで終われるとはすごいことな気がする。
「うん完璧」
私が翔と陽斗くんが処理した資料を確認したがミスひとつなかった。確認作業が早く終われた。時計を見るとあれから1時間が経っていた。
「お二人は今度の飲み会参加するんですか?」
飲み会‥?新人歓迎会のことだろうか。新人が入社した時に催すものだが、社員や社長の予定のせいで今年は例年より遅い時期に開催すると言っていた気がする。
「来月の22日だよ冴ちゃん参加する?」
私は別に行っても行かなくてもいいがお酒を飲むのはあまり好きではない。あまり摂取したことがない得体の知れない液体が血液によって全身を駆け回るのが嫌いだ。
「でも新人の教育係は強制参加って言ってた気がします」
うちの会社は自由なところをまだ社会の知識もない大学生に精一杯宣伝しているがこういうところはまだ一昔前だ。
「強制参加なら行くしかないでしょ」
「じゃあ僕も行くー」
来月の22日だともう半袖状態だ。そんな季節の飲み会は一番嫌いだ。