部屋の扉を開ける。翔からコンビニのプリンを頼まれていた。自分で買えばいいものを。私の家からコンビニまで距離が長いのだ。
「ただいま」
翔と陽斗くんが真剣な眼差しで見つめあっている。私が出かけていた間に何をしていたのだろうか。想像ができない。
「あ‥おかえり冴ちゃん!」
「はいプリン」
「ありがとう!冴ちゃんほんとに大好き!!これからもずっと隣にいるよ」
「何それ」
陽斗くんにもプリンを買ってきた。陽斗くんには飲み会で酒ばっかり飲んでいた気がするから。
「はい陽斗くんも」
「ありがとうございます!」
なんか陽斗くんが私のことを見る目が変わっている気がする。

「二人で何か話してた?」
翔から何か言われたのだろうか。
「僕がね冴ちゃんのこと話したんだ」
私のことっていうとアレキシサイミアとか昔のことだろうか。
「ふーんでも前にそう言うことは話しちゃだめだよって私に言わなかったっけ」
「陽斗くんは言ってもいいかなって僕が判断したの」
「冴先輩これからもいろんなこと学ばせてください」
陽斗くんは前よりもっとキラキラしている目で私のことを見ていた。前の人たちとは全然違う目だ。

「ほらプリン食べよ!」
「はい翔先輩!!」
「あれ冴ちゃんの分はないの?」
「だってお腹空いてないし」
「お腹空いてなくてもデザートは食べていいの!!ほら僕のプリン分けてあげる!」
「俺のプリンもどうぞ!!」
「こんなにいらないんだけど」
二人からもらったプリンは夏で曇っていた口に入れるとどろどろしていた。でもなぜか悪い気はしなかった。