……てか、この後どうするんだろう?
ぼんやりと川の流れを見つめていた僕はハッと我に返る。
僕は彼女の周りにいるような人と違って、気の利いた話題も興味をひきそうなネタも何もない。
この状況に耐えられずに僕が離脱するのが早いのか、飽きた桜木さんが離脱するのが早いのか……どっちだ?
「藤原君の家って、ここから近いの?」
「へっ?」
どうしようか頭の中で色々と考えていたら、桜木さんの方から話題を振ってきた。
しかも僕の家が近いかどうかなんて、どうでも良さそうな事だけど。
まあ、話題に困った時のネタか。
「あー、自転車で10分くらいかな」
「そうなんだ?私の家はここから歩いて5分くらいなんだけど、図書館行こうとしたら見慣れた自転車と後ろ姿が見えたから……」
見慣れた自転車……?
桜木さんの言葉に反応して、僕は自分の自転車に目をやる。
え、見慣れた自転車って、これの事?