僕のいる高校生活にドキドキしたり、サイダーみたいに弾けたりって……。

そう言われても、クエスチョンマークが頭の中をグルグル回るだけで、彼女の言っている事が理解できない。


「えっと……私、高校受験は藤原君のおかげで突破できたと思ってるんだ」

「えっ?どういう事?」


高校受験は僕のおかげで突破できた?

また一つ、急な話をぶっこんでくる桜木さん。


「藤原君、高校受験の時、消しゴムをくれた事、覚えてないでしょ?」


高校受験の時に……消しゴム?


「私、中学卒業と同時にこっちに引っ越してきたから、受験の時は知り合いいなくて。で、消しゴム忘れた事に気付いて焦ってたの。そうしたらその時に前の席だった藤原君が消しゴムをくれたんだ」

「……ああ!そんな事あった……」

「思い出した?……人生最大のピンチって思いながらペンケースガサガサしてたのが、よっぽどうるさかったんだろうね。藤原君がどうぞって消しゴムくれたんだよ」