「たのしい! ルアーロブスター乗りたのしい!!!」
きゃーきゃー歓声を上げて、ロブスターに乗って砂浜から海の中まで走り回る。
「すごい。水陸両用いける! 最高!」
「ルシウス君! 遊ぶ前に他のルアーロブスターを倒してちょうだい!」
雷魔法で青かったルアーロブスターをこんがり真っ赤に焼き上げてひっくり返しながら、女魔法使いのハスミンが声を張り上げた。
「ルアーロブスターはどうやって倒せばいいのー?」
のー、のー、のー……
「ああもうっ、沖まで行ったら戻れなくなるでしょ! カンバーック!」
「両眼の間を頭の中半分までぶっ刺せばクリアだ! その前にハサミを落とさねえとこっちが殺られるぞ、気をつけろ!」
「了解です!」
それでどうなったかというと、ルアーロブスターの背に乗ったまま長い触覚を操作して、残りのロブスターたちに突進してはハサミをぶった斬り→頭部に聖剣を突き刺しを繰り返した。
急所を刺されたルアーロブスターはそのままぱっと一瞬だけ光って魔石に変わる。
ルシウスは自分の拳より大きな魔石を、次々海岸に放り投げていった。
吸血オクトパス来襲時、魔石回収をすっかり忘れて蒸発させてしまった反省をちゃんと覚えている。
ルシウスはちゃんと学習するお子さんだった。
「何ともまあ。これは楽でいいですね」
暗器使いのサブギルドマスターのシルヴィスが、武器を仕舞いながらしみじみ呟いた。
楽でいいのだが、ルシウスばかり活躍させると、討伐に参加した他の冒険者たちへの分け前が減ってしまう。
ここココ村支部の討伐報酬は、討伐に参加した者たちでランクに応じて分けているものの、上手くやらないと他の冒険者たちから不満が出てくるかもしれない。
その辺の調整はサブギルドマスターのシルヴィスの仕事だ。
さて、どうバランスを取るのが良いものやら。
「ラスト2!」
ギルマスたちがいる砂浜まで追い上げてから、パキッと魔法樹脂の透明な樹脂で二対の大バサミを固めた。
同時に、ごちゃごちゃと生えている脚も複数本ずつまとめて魔法樹脂で固める。
するともうルアーロブスターは動けない。
ひっくり返って、固められてしまった脚をじたばたと蠢かせて身悶えるのみ。
「これ食べられる? ギルマス」
「食える。めちゃウマだぜ、最高」
「……でも調理するのあの人なんだよね……」
「ああ……それはな……」
ルシウスはルアーロブスターの背に騎乗したまま、ギルマスたちはひっくり返ったロブスターを見つめながら、お葬式の如く沈んだ。
美味しいロブスターを飯マズ調理人に渡さねばならないのだろうか。
「じゃあ僕が魔法樹脂で保存しておいて、明日いつものオヤジさんが来たら調理してもらう」
「「「それだ!」」」
というわけで、パキパキパキッと一体丸ごと透明な魔法樹脂に封入した。
さて、それでは残るはルシウスの乗っている一体だけなわけだが。
「くふ。お前、真っ青でおっきくてハサミもご立派だよね?」
触覚2本を握り締めながら、ルシウスは乗っかったままのルアーロブスターの頭をナデナデした。
ビクビクゥッと、ただでさえ青いルアーロブスターが更に青ざめた気がした。
「お前はおうちに送ります。兄さんたちによろしくね!」
青いルアーロブスターの巨体が見る見るうちに魔法樹脂に封入されていく。
その小さな目からは涙が溢れていたとかいなかったとか。
きゃーきゃー歓声を上げて、ロブスターに乗って砂浜から海の中まで走り回る。
「すごい。水陸両用いける! 最高!」
「ルシウス君! 遊ぶ前に他のルアーロブスターを倒してちょうだい!」
雷魔法で青かったルアーロブスターをこんがり真っ赤に焼き上げてひっくり返しながら、女魔法使いのハスミンが声を張り上げた。
「ルアーロブスターはどうやって倒せばいいのー?」
のー、のー、のー……
「ああもうっ、沖まで行ったら戻れなくなるでしょ! カンバーック!」
「両眼の間を頭の中半分までぶっ刺せばクリアだ! その前にハサミを落とさねえとこっちが殺られるぞ、気をつけろ!」
「了解です!」
それでどうなったかというと、ルアーロブスターの背に乗ったまま長い触覚を操作して、残りのロブスターたちに突進してはハサミをぶった斬り→頭部に聖剣を突き刺しを繰り返した。
急所を刺されたルアーロブスターはそのままぱっと一瞬だけ光って魔石に変わる。
ルシウスは自分の拳より大きな魔石を、次々海岸に放り投げていった。
吸血オクトパス来襲時、魔石回収をすっかり忘れて蒸発させてしまった反省をちゃんと覚えている。
ルシウスはちゃんと学習するお子さんだった。
「何ともまあ。これは楽でいいですね」
暗器使いのサブギルドマスターのシルヴィスが、武器を仕舞いながらしみじみ呟いた。
楽でいいのだが、ルシウスばかり活躍させると、討伐に参加した他の冒険者たちへの分け前が減ってしまう。
ここココ村支部の討伐報酬は、討伐に参加した者たちでランクに応じて分けているものの、上手くやらないと他の冒険者たちから不満が出てくるかもしれない。
その辺の調整はサブギルドマスターのシルヴィスの仕事だ。
さて、どうバランスを取るのが良いものやら。
「ラスト2!」
ギルマスたちがいる砂浜まで追い上げてから、パキッと魔法樹脂の透明な樹脂で二対の大バサミを固めた。
同時に、ごちゃごちゃと生えている脚も複数本ずつまとめて魔法樹脂で固める。
するともうルアーロブスターは動けない。
ひっくり返って、固められてしまった脚をじたばたと蠢かせて身悶えるのみ。
「これ食べられる? ギルマス」
「食える。めちゃウマだぜ、最高」
「……でも調理するのあの人なんだよね……」
「ああ……それはな……」
ルシウスはルアーロブスターの背に騎乗したまま、ギルマスたちはひっくり返ったロブスターを見つめながら、お葬式の如く沈んだ。
美味しいロブスターを飯マズ調理人に渡さねばならないのだろうか。
「じゃあ僕が魔法樹脂で保存しておいて、明日いつものオヤジさんが来たら調理してもらう」
「「「それだ!」」」
というわけで、パキパキパキッと一体丸ごと透明な魔法樹脂に封入した。
さて、それでは残るはルシウスの乗っている一体だけなわけだが。
「くふ。お前、真っ青でおっきくてハサミもご立派だよね?」
触覚2本を握り締めながら、ルシウスは乗っかったままのルアーロブスターの頭をナデナデした。
ビクビクゥッと、ただでさえ青いルアーロブスターが更に青ざめた気がした。
「お前はおうちに送ります。兄さんたちによろしくね!」
青いルアーロブスターの巨体が見る見るうちに魔法樹脂に封入されていく。
その小さな目からは涙が溢れていたとかいなかったとか。