ドキドキしながら、目的地であるガチャガチャの森の店までずっと手をつないでいた。外したら悪い気がして、何も言わなかった。終始笑顔の璃乃に魅了された煕は、合わせて面白くなくても笑ってしまう。なんでもないことが楽しくなるんだ。
「あそこにあるぬいぐるみって幸田くんみたいだね」
「え? そんなことはないっすよ。うーん、でもそうかなぁ」
「だって、なまけものだよ?」
「なまけものなんかじゃないっすよぉ~」
「でしょう。そういうと思った」
「……? どういうこと?」
煕は璃乃についていけなくなってきた。
「話のネタだよ。会話途切れるのが寂しいから」
「あー、すいません」
「いやいや、真面目に答えなくていいから」
沈黙になることを恐れて、璃乃は会話をどんどん入れたくなった。なんでもない話を入れて、間をつなごうとした。煕は沈黙でも全然かまわないだけどなぁと思いながら、進んだ。まだ会ってから浅いし、お互いにまだ何も知らない。知りたくて仕方ないが、何を聞けばいいかわからない。とまどいながら、変な質問になる。絡まっている。煕はむしろ、何をどう返せばいいか迷い始めた。
「……菅原さん。ここですね」
もやもやとお互いに話すことを考えているうちに目的地に着いた。
「あ、そうだね」
たくさんのガチャガチャの種類にどれにしようかとあっちやこっちに商品を眺めた。昔ながらの喫茶店でクリームソーダの小さなキーホルダーや、もちもちの動物、なぜか体育用具の跳び箱やハードル、小さなお菓子パッケージなどまさかのものが玩具になっていると目を丸くして驚いていた。
「はぁ!」
「何、何があった?」
「これ、見てよ。牛乳石鹸もガチャになってる」
「本当だ。知らなかったぁ。幸田くん、よく見てるね。私は、もう目的のハシビロコウくんしか探してないよ」
熱心に指を差しながら、探す璃乃の姿に煕は笑みをこぼす。
「幸田くん、見てみて!!」
「え?」
ぼーと璃乃の横顔を見ていたら、突然テンションを上がって、ジャンプしはじめた。
「ほら、ハシビロコウくんあったよ!!」
「あ、本当だ」
「えっと、300円だね。チェーンでつなぐんだ。無くさないといいけどね。あとは、ふくろうかな。うーん、何が出るんだろう」
璃乃は、300円を入れて、ぐるぐるとまわした。出て来たのは青いガチャガチャだ。
「なんだろう。あけてみようかな」
「何が出ますかね」
「あ……当たり! ハシビロコウだ」
「よかったですね。僕もやろう」
煕もまわしてみた。出て来たのは黄色のガチャガチャだった。
「幸田くんも同じかな?」
「あー、残念。ハシビロコウじゃなかった」
「いいじゃん。シマエナガでしょう。雪の妖精可愛い」
また璃乃の笑顔を横から見えて、煕は頬を耳まで赤くした。何気ない仕草にドキッとする。
「で、ですね。僕、そういや、ハシビロコウのキーホルダー持ってました」
「あ、それ。お揃いじゃん」
バックの中から出した家のカギをつけたキーホルダーを出すと、璃乃は隣に手に入れたばかりのハシビロコウを合わせた。まったく一緒のものだった。
「嬉しいね」
息をのんだ。煕の心が洗われた。璃乃の笑顔がこんなにも心打たれるものだとは思わなかった。煕は璃乃の彼女になりたいと切実に思った。
「あそこにあるぬいぐるみって幸田くんみたいだね」
「え? そんなことはないっすよ。うーん、でもそうかなぁ」
「だって、なまけものだよ?」
「なまけものなんかじゃないっすよぉ~」
「でしょう。そういうと思った」
「……? どういうこと?」
煕は璃乃についていけなくなってきた。
「話のネタだよ。会話途切れるのが寂しいから」
「あー、すいません」
「いやいや、真面目に答えなくていいから」
沈黙になることを恐れて、璃乃は会話をどんどん入れたくなった。なんでもない話を入れて、間をつなごうとした。煕は沈黙でも全然かまわないだけどなぁと思いながら、進んだ。まだ会ってから浅いし、お互いにまだ何も知らない。知りたくて仕方ないが、何を聞けばいいかわからない。とまどいながら、変な質問になる。絡まっている。煕はむしろ、何をどう返せばいいか迷い始めた。
「……菅原さん。ここですね」
もやもやとお互いに話すことを考えているうちに目的地に着いた。
「あ、そうだね」
たくさんのガチャガチャの種類にどれにしようかとあっちやこっちに商品を眺めた。昔ながらの喫茶店でクリームソーダの小さなキーホルダーや、もちもちの動物、なぜか体育用具の跳び箱やハードル、小さなお菓子パッケージなどまさかのものが玩具になっていると目を丸くして驚いていた。
「はぁ!」
「何、何があった?」
「これ、見てよ。牛乳石鹸もガチャになってる」
「本当だ。知らなかったぁ。幸田くん、よく見てるね。私は、もう目的のハシビロコウくんしか探してないよ」
熱心に指を差しながら、探す璃乃の姿に煕は笑みをこぼす。
「幸田くん、見てみて!!」
「え?」
ぼーと璃乃の横顔を見ていたら、突然テンションを上がって、ジャンプしはじめた。
「ほら、ハシビロコウくんあったよ!!」
「あ、本当だ」
「えっと、300円だね。チェーンでつなぐんだ。無くさないといいけどね。あとは、ふくろうかな。うーん、何が出るんだろう」
璃乃は、300円を入れて、ぐるぐるとまわした。出て来たのは青いガチャガチャだ。
「なんだろう。あけてみようかな」
「何が出ますかね」
「あ……当たり! ハシビロコウだ」
「よかったですね。僕もやろう」
煕もまわしてみた。出て来たのは黄色のガチャガチャだった。
「幸田くんも同じかな?」
「あー、残念。ハシビロコウじゃなかった」
「いいじゃん。シマエナガでしょう。雪の妖精可愛い」
また璃乃の笑顔を横から見えて、煕は頬を耳まで赤くした。何気ない仕草にドキッとする。
「で、ですね。僕、そういや、ハシビロコウのキーホルダー持ってました」
「あ、それ。お揃いじゃん」
バックの中から出した家のカギをつけたキーホルダーを出すと、璃乃は隣に手に入れたばかりのハシビロコウを合わせた。まったく一緒のものだった。
「嬉しいね」
息をのんだ。煕の心が洗われた。璃乃の笑顔がこんなにも心打たれるものだとは思わなかった。煕は璃乃の彼女になりたいと切実に思った。