あたしは身支度を整えれば、部屋の外にお兄ちゃんが来ていた。

なんとなく、空気でわかる。


「姫」


変わらないあの低めでジーンとした良い声だわ。


「お兄ちゃん‥‥‥」

「俺そばにいるから、なんかあったら呼んで」

「‥‥‥うん」


なんだかこの吐き気も堪えられそうだ。

お兄ちゃんのおかげだ。

覚えとけよ小林め!!