駿ちゃんはベッドサイドに置かれた椅子に腰かけて、ゆっくり話し出した。

「僕たちは幼なじみだけど、今は少し違う。今の僕は、花菜ちゃんの恋人だよ」

「へ…?」

確かに私は遊園地で駿ちゃんに告白しようと思っていた。

でも私はちゃんと告白出来たのだろうか。

それで付き合うことになった?

でもどうして思い出せないのだろうか。

というか、ここは私の実家の部屋ではない。

何故、駿ちゃんは急に大人になったの?

これは夢?現実?

記憶の糸が絡まっているような気がするのに、その記憶の中身が全く思い出せない。

「色々と混乱してるだろうけど、聞いてほしい。今の花菜ちゃんの記憶は、二人で遊園地に行った高校三年生の冬の日までで止まってるんだ」

「止まってるって…。今、私は何歳なの?」