朝、目が覚めると知らない白い天井が映った。
起き上がって辺りを見回してみると、やはり見覚えのない部屋。
だが、私が眠っていたベッドの傍に置かれた、木製の鏡台は小さな頃から使っているもので、中途半端に私の知っている、親近感の在る部屋だ。
「ここ、どこ…?」
私は確か、幼なじみと遊園地に来ていたはずではなかったか。
「花菜(かな)ちゃん」
一人混乱していると、突然自分の名前を呼ばれて振り向く。
「っ、え、誰?」
「驚かせてごめん。僕は駿(しゅん)だよ」
「駿、ちゃん…?私の、幼なじみの?」
確かによく顔を見てみると、私の知っている駿ちゃんの面影があった。
しかし記憶にあるよりも幾分か大人びているような気がする。