どうして?すぐ目先で赤く染まり広がる空に頭を抑える。朝が来ているはずなのに、迫り来る薄暮に、私は今日も対抗できないままだ。歪む視界に、また愛した人の死が刻まれた。
 私はただ、幸せになりたいだけなのに。死と隣り合わせに歩く私に希望も未来もない。また、今日が来る。
「なんでよ、なんで夏希は私を連れて行ってくれなかったのっ冬真君もそう。なんで私を置いていくのよっ…」
きっと空に光るであろう2人に恨みを連ねる。何が星になれないだ、何が不幸だ。何が幸せだ。2人は朝を見たじゃないか。夏希の星を見たいと言う言葉を思い出して咆哮をあげる。星なんてもの、とっくのとうに見飽きてしまった。キラキラと輝いている?あんなもの、ただ、死んだのに死にきれない私を嘲笑う死者の声だろう。私は朝日が見たいだけなのに。

いつまで、今日を続ければいいのだろう。

7月1日、夜24:00。私は今までと同じように、前より廃れ、人のいなくなった校舎の屋上で揺れる柵を超える。そしてまた、薄暮に迫られ今日を繰り返す。