「ねぇ、君たちさ、
 さっきから一方的に言ってるけど、
 村瀬さん(彼女)の気持ち、
 全く無視していない?」


 出なかった、これ以上。
 松浦さんの言葉に。


 そのとき。
 新堂くんからの助け舟が。


「誰よ、あなた。
 余計な口出ししないでくれる?」


 新堂くんの言葉に。
 不機嫌な様子の松浦さん。


「俺は新堂和輝(ともき)
 楚良(そら)ちゃんの友達」

「楚良さんの友達か何かは知らないけど、
 あなたには関係ないことよ」

「関係ないことないよ。
 誰かが辛い思いをしているときに
 助けることは大切なことだよ。
 それができる楚良ちゃんは、
 かっこいいと思ってるよ、俺は。
 そういうことって、
 誰にでもできることじゃないから」

「和輝の言う通り、
 誰かを助けることって
 ものすごく勇気がいることだから。
 私も思うよ、
 それができる碧音(あのん)ちゃんは
 本当にすごい、って」


 来てくれた、助けに。
 彩暖(あやの)ちゃんも。