「他の本屋さんに行っても
売ってるとは限らないし、
そこでも売れ切れだったら
また他の店に行かないといけなくなってしまう。
そんなことになったら、
時間も精神力も無駄に使ってしまうことになるよ」
う~ん。
確かに。
新堂くんの言う通り。
他の本屋さんに行っても。
限らない、売っているとは。
「これだけ人気のマンガだから
重版はされると思うけど、
時間かかると思うし、
いつになるかわからないよ」
うん。
これも。
新堂くんの言う通り。
このマンガは。
大人気、老若男女問わず。
だから。
かかると思う、月日が。
たぶん。
入荷日未定。
そうなると思う。
「楚良ちゃんも
このマンガ、楽しみにしてたでしょ。
早く読みたい気持ち、
すごくわかるから」
新堂くん。
やっぱり。
ある、気遣いが。
「それに
同じマンガを
同じタイミングで買おうとしたのも
何かの縁。
だから、
遠慮しないで、本当に」
「……ありがとう、
それじゃあ、
お言葉に甘えて」
いいのだろうか、本当に。
新堂くんのお言葉に甘えても。
そう思いながら。
伝えた、お礼の言葉を。
新堂くんに。
「うん。
いいよ、素直で」
新堂くんは。
なっている、やさしい笑顔に。