「松浦さん、
 今、ご家族の人、家にいる?」


「いるけど」


「それなら、
 連絡して迎えに来てもらいなよ」


「……そうする」


「それでさ、
 ちゃんと病院行きなよ。
 きちんと治さないと
 後遺症、残るかもしれないから」


「……楚良(そら)さん?」


「うん?」


「本当にいいの?」


「『いいの』って、
 何が?」


「私に
 こんなことをしてくれて」


「え?」


「そんなお人好しなことをしたら
 楚良さんが損をするのに」


 またまた。
 何を言っている、松浦さん。