光織(みおり)萌愛(もえ)
 もう限界、我慢の」


「『限界』って、
 碧音(あのん)
 何が限界なの?」


 本当は。
 気付いている、光織は。

 私がしようとしている行動を。


 知っているから。
 私の性格を。


「碧音ちゃん……」


 たぶん。
 気付いている、萌愛も。

 だけど。
 出ないのだと思う、言葉が。


「碧音っ、
 止めておいた方がいい」

「私も。
 できるなら……」


 心配してくれている、私のことを。
 光織も萌愛も。