「だけどっ、
 あんな目にあっているクラスメートを
 何もしないで無視しろということなの?」


 それでも。
 言った、なんとか。
 自分の考えを。


「そういうことではない。
 ただ、
 助けることが
 相手にとって救いになるとは限らない」


「そんなことはないでしょ。
 誰かが行動すれば
 必ず良い方へ向かうと思う」


「だからっ‼
 そうとは限らないんだって‼」


 普段クールな凪。


 そんな凪が。
 出した、大声を。

 それは。
 珍しい、本当に。



 驚いた、凪の大声に。

 それだからだろう。
 反応した、ビクッと。
 身体が。


「ごめん、
 大声を出して」


 たぶん。
 気付いた、凪は。
 私の様子に。