「だけど、
 さすがに言えないわよね。
 初めて話しかける人に
 いきなり『私も能力者なの』だなんて」

「そうなんだよな。
 彩暖(あやの)の言う通り、
 いきなり言うのは無理だと思った。
 驚かせてしまうかもしれないというのもあるけど、
 もしかしたら怪しまれるかもしれない、
 そう思ってしまったから」


 確かに。
 新堂くんの言った通り。


 ただ。
 怪しむかどうか。
 わからない、それは。

 だけど。
 驚く、絶対に。
 そう思う。


「だから、
 止めておいたの、初めて話をしたときは。
 私と和輝(ともき)
 碧音(あのん)ちゃんや凪くんと同じ能力者だということを」

「そう。
 しばらく様子をみようと思ってさ」


 そうだったんだね。


 考えてくれていた。
 タイミングを。
 彩暖ちゃんと新堂くんは。

 する、話を。
 彩暖ちゃんや新堂くん。
 自分たちも能力者。
 そのことを。