テーブルの上にはあんなに朔哉が食べたいと言っていた、シュークリームが山積みになっていた。

「じゃあ、包ませるから持って帰りなさい?
でも朔哉のものだからあなたは絶対食べちゃダメよ?」

「はぁ……」

朔哉に献身的なうか様は可愛らしい。
でもきっと、こんなふうに余裕で彼女を見ていられるのは、私が朔哉に愛されているという絶対的な自信からだ。

「あー、でも……」

ハイテンションに人を呼ぼうとしていたうか様の動きが止まる。
新しいシュークリームを手に取ったかと思えば、弄びはじめた。

「朔哉のところは道の司が厳しいから、こんなの持って帰っても処分されちゃう……」

道の司というのは、宜生さんのことだ。
それで、神様の執事みたいなもの。
眷属の中で唯一、主である神様に意見が言えて、指導係でもある。
朔哉も、先代、先々代と仕えている宜生さんにはあまり、逆らえないらしい。
先代、先々代というのは、神様は代替わりするから。
それがどんなものか訊いても、朔哉は教えてくれないんだけど。

「ですよね……」

はぁーっ、とうか様と同時にため息が出た。