シンプル、だけどやっぱり定番は可愛い。

朝ごはんを食べて、今日もうか様のところへ行く。
そういえば、うか様のところへ通いはじめて、休みってもらったことがない。
これって完全に、ブラック企業では?
休み無しでしかも毎日、うか様からは朔哉の元から出ていけ、なんなら殺してあげるなんて物騒なことを言われ。
これって本当に、ヤバい会社だよ。
まあ、休みがないのはこちらに曜日がないからなんだろうけど。

「ねーえー。
まだ朔哉のところから出ていかないのー」

今日も同じことを言っている、うか様をちらり。
いつもは完全無視だが、今日は。

……彼女が食べているものが気になる。

「さっさと出ていけって何度言ったらわかるのよー」

手に持ったそれをぱくり。
さらには口端に付いたクリームを舌でぺろりと舐めた。

「そのー、うか様。
それ……」

「食べた言っていってもあげないから!」

凄い勢いで手に持ったそれを口の中へ詰め込む。
いや、取らないから安心して?

「いえ。
朔哉が食べたいって言っていたので、どうやったら手に入るのかなー、って」

「朔哉が!?」

次に伸ばしたうか様の手が止まる。