お気に入りの服に泥団子をぶつけられたり、私の髪から取ったリボンでザリガニ釣りをしたり。
そして今日は、大事なキーホルダーを取られた。
「ほら早く……あっ」
「あっ」
指の先でくるくる回していたキーホルダーは幸太の指から外れ、飛んでいく。
「お、お前が早く取り返さないから悪いんだからな!
オレ、しーらない」
「あっ」
幸太が私を押しのけ、その衝動で尻餅をついた。
顔を上げたときには幸太の姿は遙か先にある。
「どうしよう……」
キーホルダーが飛んでいった先に目を向ける。
そこはうっそうと茂った藪だった。
「探さないと……」
藪の中に入り、キーホルダーを探す。
手足はすぐに傷つき、泣きたくなった。
「どこ、どこいったの?」
半べそで藪をかき分けて探す。
が、それはどこにも見つからない。
しかも夢中になって探すうちに森の奥深くに入ったのか、辺りは暗くなってくる。
「ここ、どこ……?」
気がついたときには民家どころか道すら見失っていた。
――ガサッ。
「ひぃっ」
近くで動いたなにかが怖く、とにかく走って逃げる。
走って走って……唐突に、どこかの家の裏に出た。
そして今日は、大事なキーホルダーを取られた。
「ほら早く……あっ」
「あっ」
指の先でくるくる回していたキーホルダーは幸太の指から外れ、飛んでいく。
「お、お前が早く取り返さないから悪いんだからな!
オレ、しーらない」
「あっ」
幸太が私を押しのけ、その衝動で尻餅をついた。
顔を上げたときには幸太の姿は遙か先にある。
「どうしよう……」
キーホルダーが飛んでいった先に目を向ける。
そこはうっそうと茂った藪だった。
「探さないと……」
藪の中に入り、キーホルダーを探す。
手足はすぐに傷つき、泣きたくなった。
「どこ、どこいったの?」
半べそで藪をかき分けて探す。
が、それはどこにも見つからない。
しかも夢中になって探すうちに森の奥深くに入ったのか、辺りは暗くなってくる。
「ここ、どこ……?」
気がついたときには民家どころか道すら見失っていた。
――ガサッ。
「ひぃっ」
近くで動いたなにかが怖く、とにかく走って逃げる。
走って走って……唐突に、どこかの家の裏に出た。