そう思い至って身震いがした。

「まあ、心桜は破ったりしないって信じてるけど」

「う、うん」

いままでの自分の、軽率な行動が恐ろしい。
相手は神様なのだ。
嘘をついたりとか絶対に、ダメ。

屋敷に帰り着いて、今朝の服にチェンジした。

「それにしてもその指パッチン、便利だね」

「そう?」

調子に乗って朔哉がパチパチと指を鳴らす。
天照大御神様のところへ行ったときの十二単調、振り袖、巫女。
次々に服が変わっていく。
最後にまた、今朝の服に戻った。

「これってこういうのにしてって画像を見せたらできるの?」

「できるよ。
リクエストがあったらなんでも言って」

「ふーん」

パソコンはインターネットに繋がっているって言っていたし、嫁ぐときに持ってきた携帯は引き続き使えるようになっている。
今度、リクエストしてみよう。


晩ごはんは日本料理だった。
お刺身に、お汁と煮物と焼き魚、それにごはん。

「ほんとはさ。
ハンバーグとかコロッケとか食べてみたいんだよ。
でも何度言ったって絶対これ。
作り方知らないのかとこれが食べたいってレシピ渡しても、これ。
あーあ」