「心桜、本当にごめんねー」

うか様のところからの帰り道、やっぱり私は目隠しで朔哉に手を引かれていた。

「でも、遊んでいるのは悪いと思ってたから、ちょうどいいよ」

それにうか様のところの仕事はちょっと、気になるし。

「なにかあったらなんでも言って。
すぐに私を呼んでくれてもいいし」

「朔哉は心配しすぎだよ。
大丈夫だって」

屋敷から出られないと思っていたのに、行動は制限されるだろうけど外に出られるんだよ?
こんなにわくわくすることはない。

「うん、でもなにかあったらすぐに言って。
約束だよ?」

「わかった」

もう出口が近いのか、朔哉が目隠しをほどいてくれた。
差し出された小指に自分の小指を絡める。

「指切りげんまん、嘘ついたら……そうだな。
本当に心桜の目を潰して、私無しでは生きられないようにしてあげる」

「なにそれ」

私はただの冗談だと思ったんだけど。

「言わなかったっけ。
神の言霊は絶対だよ。
破ったらそれが、現実になる」

ちょっと待って。
それって幼きあの日、指切りしたのももしかして、破って誰かに話していたら本当に殺されていた……?