「なにって、代替わりにはその女も必要でしょう?
ちゃんとふさわしいかどうか見極めないと。
今後のためにもね」

意味深にうか様がぱちんとウィンクしてみせる。

「はあぁぁぁぁぁーっ」

地面にゴトンと鈍い音を立てそうなほど重たいため息が、座り直した朔哉の口から落ちた。

「住み込みなんて言わない。
それはこっちとしても迷惑だし。
どうせ朔哉も日中は仕事でしょう?
その間、私の元で働いてもらえばいいから」
「……心桜、諦めて」

ぽん、私の肩に手をのせた朔哉は疲れ果てている。

「あの人、言いだしたら聞かないんだ」

「あー、えっと。
……アルバイト的なもの、と考えたらいいんでしょうか……」

「そうそう!
上手いこと言うね!
そんな感じ!!
できるでしょ、アルバイト」

楽しくて仕方ないのか、うか様はにこにこと笑っていた。

「はい、私にできることなら……」

「決まりね!」

パン!とうか様が胸の前で手を叩く。
なにもしないのは居心地が悪いので、朔哉にできることを探してもらうつもりだった。
それが計らずともアルバイトすることになったんなら、いいのかな……?