「じゃあまた、目隠しね」

「うん」

今度は、ワンピースと同じ桜色のリボンで目隠ししてくれた。
また、手を繋いで朔哉と歩く。

「朔哉。
天照大御神様は私の目を潰せとか言ってたけど、いいの?」

私の目が見えなくなれば、みんな危険がなくなるのだ。
痛いのは嫌だし、見えないのは困るけど、それでみんなが助かるのならそうするのも仕方ない。

「心桜は自分の目を、潰していいと思ってるの?」

「それでみんなが助かるんだったら、仕方ないかなーって」

そうなれば、あのうるさい鈴も必要ないし、朔哉と一緒にどこへでも行ける。
あ、それにキスするときに面が邪魔になるってことだってなくなる。
朔哉の顔が見えないのは、悲しいけど。

「心桜はみんなのために自分を犠牲にするんだ」

「いや、別に、犠牲ってわけでも……」

「そういうのは心桜のいいところだけど。
……悪いところでもあるよ」

パン、朔哉の手が勢いよく、まるで頬を叩くかのように私の顔を掴む。
目隠しされていても、彼が責めるように私をじっと見つめているがわかった。

「自分が不幸になればみんなが幸せになれるならって、諦めてしまうのはダメだ。