途端に朔哉はスーツ姿に、私は桜色のワンピーススーツ姿になった。
確かに相手が会長さんなら、これでいいかもしれない。
「スーツの朔哉って格好いいね」
「そう?
で、心桜にやってほしいことがあるんだけど」
「なに?」
「ネクタイ、結んで」
はい、と朔哉からネクタイを渡された。
いわれると彼のVゾーンにはネクタイがない。
「えっと……」
「結び方、知らない?」
「知ってる、けど」
高校の制服はネクタイだった。
だから当然、結び方は知っている。
でも指パッチンでお着替えが済むのに、なぜにわざわざ私に結ばせる?
「なら、結んで?」
私が結びやすいように、その高い背を屈めてくる。
仕方ないのでその首に手を回し、ネクタイを結んだ。
「これで、いい?」
「うん、ありがとう」
にへらと、面のせいでそこしか見えない口がだらしなく緩む。
「ほら、新婚さんとかがよくやるだろ。
出勤する旦那さんのネクタイ結ぶの。
あれ、一度やってみたかったんだよねー」
「はぁ」
ドラマの観すぎかっ、って一瞬、突っ込みそうになった。
でも朔哉は嬉しそうだし、いいことにする。
確かに相手が会長さんなら、これでいいかもしれない。
「スーツの朔哉って格好いいね」
「そう?
で、心桜にやってほしいことがあるんだけど」
「なに?」
「ネクタイ、結んで」
はい、と朔哉からネクタイを渡された。
いわれると彼のVゾーンにはネクタイがない。
「えっと……」
「結び方、知らない?」
「知ってる、けど」
高校の制服はネクタイだった。
だから当然、結び方は知っている。
でも指パッチンでお着替えが済むのに、なぜにわざわざ私に結ばせる?
「なら、結んで?」
私が結びやすいように、その高い背を屈めてくる。
仕方ないのでその首に手を回し、ネクタイを結んだ。
「これで、いい?」
「うん、ありがとう」
にへらと、面のせいでそこしか見えない口がだらしなく緩む。
「ほら、新婚さんとかがよくやるだろ。
出勤する旦那さんのネクタイ結ぶの。
あれ、一度やってみたかったんだよねー」
「はぁ」
ドラマの観すぎかっ、って一瞬、突っ込みそうになった。
でも朔哉は嬉しそうだし、いいことにする。