僅かに光は感じるものの、なにも見えなくて不安になってくる。

「朔哉、いる?」

「いるよ、ここに」

ちゅっと、額に落ちる口付け。
触れられた瞬間はいいが、離れると心細い。

「朔哉?」

「ん?」

声は、する。
けれどいくら手で探っても、なにもない。

「朔哉!」

今度は返事すらない。
こんな状態でひとりにされたのかと、不安で不安で仕方ない。

「朔哉ってば!」

涙は、目隠しが吸い取っていく。
外してしまいたいが、もし目の前に朔哉の顔があったらと思うと怖くて外せなかった。

「朔哉ってば……」

「ごめんごめん。
心桜があんまり、可愛かったから」

そっとあたまを撫でられ、額に口付けが落ちる。
その手はゆっくりゆっくりと私の髪を撫でた。

「見えないだけで心桜がこんなに私に縋ってくれるなら、あの方法を実行したくなる」

「朔哉?」

あの方法っていったい、なんなんだろう。

「ん?
なんでもないよ。
……心桜、愛してる」

唇が重なって、朔哉の舌が私の中に入ってくる。
じんじんとあたまの芯が甘く痺れてなにも考えられない。

「心桜……」