「ちょっと気を、使いすぎちゃったからね。
しばらく休んで」

「……うん」

そういえば、身体が酷くだるい。
気を使うってこんなに大変なんだ。

朔哉は私をソファーに寝かせ、膝枕してくれた。

「加護といっても気休め程度の守りなんだけど」

「でもあのお花の模様、可愛い。
あれで凄く、いいものになったみたいに見える」

「喜んでくれてよかった」

髪を撫でてもらいながら、疲れているからかうとうとしてくる。
あとはあれを、みんなに渡してもらうように宜生さんに渡すだけだ……。


夕食の後、宜生さんを呼んだ。

「あの。
……これ、皆さんのために作ったので、よかったら使ってください」

できあがったたすきを抱えて渡す。
宜生さんはじっと立ったまま、なにも言わない。
視線は私ではなく、隣にいる朔哉の方へ向いていた。
でも彼は宜生さんを見返すばかりで黙っている。
しばらくして宜生さんは、はぁっと小さく息を吐き出した。

「……こういうことは困ります」

ずん、とその言葉は、重い鉛になって胸の奥へ落ちてくる。