あれ、なら手縫いで作れるし、布なら簡単に手に入るはず。

「全員分、作るか」

メモにさらに書き足す。
白と赤の布、それに裁縫道具。

「頑張ってみますか」

いまだにここに何人いるか知らないけど、かなりの人数がいるのは確か。
大変だと思うけれど仲良くなるためだったら、苦労は惜しまない。



うか様の屋敷の仕事部屋でパソコンの前に座り、周りに誰もいないか見渡す。

……よし。

朔哉からもらったそれをパソコンに繋ぎ、準備OK。
閉じたまま和綴じ本をその上に置き、読み取らせる。

「うわっ、早い、早い」

ものの五分もかからずに、一冊が取り込み終了。
あとは文字化けしていたり、間違っているのだけを訂正してやればいい。

こんな便利な道具を作ってくれた朔哉には感謝しかない。
私の仕事内容を聞いてから、秘密に作っていたらしい。
ちなみに、家電と神の力を融合したものなんだって。

「これでかなり、スピードアップだよ」

いつもと違い、ルンルンで作業する。
ちょっとずるをしている気もするが、これはただ単に効率化なのだ。