中学時代までは恵理ちゃんと毎日こんな話をして過ごしていたので、また高校でもそういう風に過ごせて、何よりクラスメイトがみんな男の子なので、女の子の友達とゆっくり話せるのがかなり嬉しい。
「ていうかー、いっっも私ばっかり喋ってますけど、皆は他にないんですか! 巫寿ちゃん以外で!」
盛福ちゃんが唇をとがらせてポテチをつまむ。
私以外って。
「なんで巫寿はいっつも除外されてんだよー、ずるいぞ!」
「私たちの巫寿ちゃんに好きな人なんていません! 巫寿ちゃんはいつまでもピュアピュアなんですぅ」
「ですです」
ピュアピュアって、と苦笑いを浮べる。
不服そうな瑞祥さんがむうっと唇を突き出す。そしてむくりと膝立ちになるとジリジリと私に迫ってきた。
え?と思った次の瞬間、突然飛びついてきた瑞祥さんと共に床に倒れ込む。
「吐け! どうせピュアピュアな巫寿にも好きな男の一人や二人いるんだろ!?」
「ちょっ、瑞祥さん……っ!?」
声にならない声を上げる。悲鳴というか笑い声だ。
細い指を器用に動かした瑞祥さんが私の脇腹をくすぐる。
「ヤバい巫寿ちゃんが拷問にかけられてる!」
「いま助けます巫寿さん……!」
完全に瑞祥さんの悪ノリに乗っかった二人も飛び込んできた。きゃーっと誰かが楽しそうな悲鳴をあげる。もう揉みくちゃだ。