みんなで焼肉を食べたあと、大人三人が居間でしっぽりお酒を酌み交わし始めたので、私と恵理ちゃんは私の部屋に移動した。
お兄ちゃんが焼いてくれたシフォンケーキを食べながらガールズトークに花を咲かせる。
「それで、泰紀くん関連で話したいことって?」
「そうそれ! 長くなるけど話していい!? てか長くなるけど聞いて!」
「あはは、いいよ。聞く聞く」
怒涛の勢いで話し始めた恵理ちゃん。
恵理ちゃんは現在、私のクラスメイトである近衛泰紀くんに絶賛片思い中だ。
去年の夏休みに一緒に遊ぶ機会があってその後色々あり一目惚れし、駅の改札で公開告白をしたのは記憶に新しい。
いつの間にか連絡先を公開していたらしく、ほぼ毎日連絡を取り合っているらしい。
「────それで"今何してんの"って聞かれたから、クラスメイトとカラオケだよーって写真送ったら"隣の男誰?"って!! これって嫉妬だよね!? 脈ありってことだよね!?」
「泰紀くんも何か思うところがあるのかもね〜」
親友の恵理ちゃんの恋なら全力で応援してあげたい。
泰紀くんがどんな様子なのか伝えてあげられたらいいんだけれど、いつも恵理ちゃんの話題になると顔を真っ赤にして逃げてしまう。
十分に意識している証拠なんだけれど、クラスメイト達はその度に「怒って出て行った」と思っているようだ。