メガネを押し上げて来光くんが微笑む。
二人からそう言われて、不安だった気持ちが少しだけ和らぐ。
二人の言う通りだ。もし進級できなかったとしたら薫先生や学校から連絡が来るはずだ。
何も無いということは、本当に手違いで送られてこなかったんだろう。
とにかくお兄ちゃんにメッセージを送って、届いたらすぐに連絡をして欲しいと伝えておこう。
「じゃ、気晴らしに花札やろーぜ!」
「おっしゃ、俺今日のデザート賭ける!」
すぐに切りかえた皆は鞄を隅に寄せて花札の準備を始める。
なぜか胸のざわめきは一向におさまらなかった。