いつも通りのやり取りにくすくす笑っていたけれど、「ん?」とすぐに首を傾げた。


「ねぇねぇ、合格通知って何?」


今度は皆が「え?」と首を傾げた。


「何って、巫寿のとこにも届いただろ? あなたは直階四級に合格しましたって書かれた手紙と合格証明書」

「そうそう。一週間くらい前に届いたよ」

「A4の白い封筒に入ってたぞ」


え?と眉をひそめた。

実家のポストは定期的に確認していたけれど、折り込みチラシばかりで白い封筒が入っていたことは一度もなかった。

私が見ていない時はお兄ちゃんが確認していただろうけれど、私宛の手紙や書類を勝手に開けるような人ではない。

それに本庁から届くものなら、届いた時は必ず知らせてくれたはずだ。


「え……もしかして巫寿だけ落ち……」


慶賀くんがそこまで言ってハッと口を閉じた。

さぁっと顔から血の気が引いていく感覚がする。


「落ち着いて巫寿。合格でも不合格でも連絡はくるから、何かの手違いで届かなかったんだよ」


すかさず嘉正くんがそう言う。

確かに、そうだよね。普通試験結果はどんな結果になろうと連絡が来るものだ。


「それに開校の手紙は届いてるよね? 新二年生の皆さまへってやつ」

「あ、うん。木箱で迎門の面と一緒に……」

「じゃあ大丈夫だよ巫寿ちゃん。進級できてなかったら"新二年生"とは書かないだろうし、嘉正の言う通り何かの手違いで届かなかったんだよ」