「おっ、巫寿! 久しぶり〜」
神修へ向かう車の乗り場へ着くと、既に到着していたクラスメイトたちが私に向かって大きく手を振った。
大きくてを振り返して側へ駆け寄る。
「久しぶり、皆! 春休みどうだった?」
「相変わらずだよ。家帰ったら結局は社の手伝いしなきゃいけないし」
「そうそう。夕拝出ないといけないから学校にいる方が楽だな〜」
「俺もそんな感じ。いいよな来光はのんびりできて〜」
「僕だって遊び呆けてた訳じゃないし! 薫先生にあちこち連れ回されて大変だったんだから!」
口々に春休みの思い出を語るみんなに目尻を下げる。
しばらく雑談して過ごしていると「出発しますよ」と声がかかりみんなで車に乗り込んだ。
新一年生の盛福ちゃんの姿を見つけて小さく手を振る。三年生の姿はちらほらしか見かけない。神修では三年生からご神馬さまに乗って通学することを許されるからだろう。
私たちは部屋の隅を陣取って腰を下ろした。
「毎回思うけど学校始まんの早くね〜? 次の長期休暇夏だぞ、夏!」
慶賀くんは深く息を吐いて畳の上に大の字になった。
「次の休みの前に色々行事あるじゃん。勉強だって難しくなるし」
確かに二年生からは進路に応じて授業内容が変わってくる。巫女職を希望した私は二年生から巫女職に応じた科目の授業が増えるらしい。
「にしても薫先生に採点してもらったとはいえ、合格通知届くまでヒヤヒヤしたよなぁ。落ちたらまた一年やり直しだぜ?」
「来光の後輩になるとか笑えねぇよなぁ」
「ちょっとそれどういう意味?」