そんな声に気が付いてハッと顔を上げた恵理ちゃん。

にこにこ笑う禄輪さんと目が合うなり、ぼっと顔を赤くして金魚のようにパクパク口を動かす。


「私は先に中へ入ってるぞ」

「あ、はい……!」


そう言って先に部屋の中へ入った禄輪さんの背中を見送る。

すると目をかっぴらいた恵理ちゃんがガクガクと私の肩を譲った。


「ちょっとちょっとちょっと!! 何あの豊河悦司ばりのイケオジは〜ッ!?」

「え、恵理ちゃん落ち着いて……」


きゃぁぁッ!と興奮する恵理ちゃんの雄叫びが響いた。

ミーハーな恵理ちゃんなら喜ぶとは思っていたけど私の想像以上だった。