「────つっかれた〜!!」
お昼前から始まった全体稽古は、20時になる前に終了した。
そのままみんなで銭湯へ行って汗を流し、帰ってくると今度は瑞祥さんのお母さんがたくさんのご馳走を振舞ってくれた。
お腹いっぱいになった所で瑞祥さんの部屋へ向かうと既にお布団まで用意されていて、一番先にダイブしたのは瑞祥さんだ。
続いて盛福ちゃんと玉珠ちゃんも滑り込み、私もえいっと飛び込む。
「クソ〜! 年々雛渡りの練習キツくなってる気がするぞ!」
「瑞祥さんオバチャンみたーい」
「お!? 言ったな盛福! こうしてやる!」
脇腹をくすぐられた盛福ちゃんは笑いながら転げ回る。
微笑ましい光景に仲良いなぁ、と頬をゆるめる。
頬杖をついて二人を見守っていると、玉珠ちゃんが枕を持ってすすすと隣へやってきた。
どうかしたのかと首を傾げる。
「巫寿さん巫寿さん……! 神社実習の話聞かせてください!」
「あっ、ちょっと玉珠! 抜け駆けずるーい! 私も私も!」
瑞祥さんの腕から逃げ出した盛福ちゃんが枕を持って私の布団に潜り込んできた。なんだなんだと瑞祥さんまで布団を寄せてくる。
大したことじゃないんだけどなぁ、と頬をかいた。