あまりにも厳しい言葉に耐えかねてポロポロと泣き出した二人。でも可哀想だとは思はない。
「ほら行け」と背中を押された二人は、顔を真っ赤にして私の前に立った。
「……話したい事って何? 盛福ちゃん、玉珠ちゃん」
私に名前を呼ばれたことで怯えるように顔を上げた。久しぶりに二人とちゃんと目が合った気がする。
「────巫寿ちゃんのこと、羨ましかったの……」
嗚咽混じりに話し始めたのは盛福ちゃんだった。
「高等部から入ってきたのに、舞も上手で観月祭とか開門祭にも呼ばれて」
「巫寿さんは可愛くて賢くて、優しくて……」
「それなのに威張ることもなくて謙虚で……」
「本当に素敵な方だから……」
ひくひくと鼻をすする二人。
えっと……私今めちゃくちゃ褒められてる? そういう流れだったっけ……?
「年下の私たちにも"気兼ねなく接してね"って言ってくれてめちゃくちゃ性格もいいし」
「私のBL話にも嫌な顔せず付き合ってくれて……存在自体天使みたいな人で」
「おいお前ら落ち着け。話が逸れてる」
よかった。瑞祥さんが指摘してくれたおかげで二人がハッと我に返った。
「えっとだから……その上で今回飛び級合格までして……凄いなって思うのと同時に、羨ましいなって思っちゃって」
「気付いた時には、巫寿さんの事を妬む気持ちの方が大きくなってて……」



