言祝ぎの子 伍 ー国立神役修詞高等学校ー



「薫センセー、お菓子取りに来た〜」

「お、きたきた。そこの袋全部持っていって」


お昼休みに入ってすぐ、言われた通り薫先生の研究室へ顔を出した。

珍しく事務仕事をしていた薫先生は振り返ってソファーの上の買い物袋を指さす。ジュースやお菓子が沢山入っていた。


「でも薫先生。教室でお菓子パーティーなんかして、また怒られませんか?」

「怒られるのには慣れてるからダイジョーブ」


怒られるのに慣れている事自体がそもそもどうかしていると思う。

心の中でそうつっこむ。


「それに教室ではしないから」

「え、じゃあどこで?」

「頑張った君たちへの慰労会なんだから、頑張った全員が参加しないとでしょ」


にやりと笑った薫先生は「ついてきて」と立ち上がった。