「────迷惑かけて、ごめんなさい」
瓏くんが再び教室に登校できるようになったのは、あれから一週間過ぎた異文化交流学習の最終日だった。
教室に入ってくるなり深々と頭を下げた瓏くん。皆無事に復帰したことを喜ぶ声をかける。そんな中、一人だけ不機嫌そうにムスッとそっぽを向いた恵衣くんが口を開いた。
「"多大なる迷惑"の間違いだろ。やり直せ」
「ただいなる……? 迷惑かけて、ごめんなさい」
「あはは、恵衣の言うことなんて聞かなくていいのに」
「黙れ眼鏡」
途端火花が飛び散った二人に皆が声を上げて笑う。教室の雰囲気はすっかり元通り、とまでにはいかないけれど和やかな空気が流れていた。
ガラガラと教室の前の扉が開いて薫先生が顔を覗かせた。
「お、やっと揃ったね〜。今日は五、六時間目の俺の授業取りやめで慰労会するから、グッドタイミングだ」
「え、薫先生それマジ!?」
「あはは、マジマジ。お昼休みに準備するから、俺の研究室にお菓子取りに来てね」
「やっほーい!」
諸手を挙げて喜ぶ皆に頬を緩めた。



