「離せやッ、もうお前らには頼らん! 俺一人で何とかする!」

「一旦落ち着くんだ!」

「落ち着いてられるかアホンダラァッ!」

「そんなんじゃ救えるものも救えないだろ!?」


信乃くんの瞳に力が宿った。

瑞祥さんが弾んだ声で名前を呼んだ。皆が期待を込めて聖仁さんを呼ぶ。


「恵衣と俺で作戦考えて30秒後に共有するから、火鎮祝詞を奏上しながら耳だけ貸して! いいね!?」


気合いの籠った返事が揃った。


「あと全部終わったら瑞祥は説教!」

「望むところよッ!」


ダハハッと高らかに笑った瑞祥さんに、聖仁さんは苦い顔を作って息を吐いた。