自分の悲鳴で我に返った。

肩で息をしながら呆然と自分の手を見下ろす。悪い夢を見て起きた時のように冷たく白くなっている。


「おわっ!? なんだ巫寿どした!?」


隣にいた瑞祥さんが飛び跳ねて驚いた。

ハッと瑞祥さんを見上げる。驚きと困惑と、私を心配する不安げな表情を浮かべている。

怪我もないし火傷もない。いつも通り溌剌とした瞳で私を見ている。


次の瞬間、目の奥がカッと熱くなって瞬く間に涙が溢れた。


「うおおお!? おいおい、本当にどうした!?」


慌てた瑞祥さんが咄嗟に私を抱きしめた。確かな温もりと心臓の音を感じる。

瑞祥さんは生きてる。怪我もない。

実感すると同時に張り詰めていた物が切れて壊れたダムのように涙が出た。


異変に気がついたのか聖仁さん達がなんだなんだとわらわら集まってきた。


「い、今はこっちくんなー!」


私の泣き顔が見えないように頭を抱き寄せた瑞祥さんがそう叫ぶ。

ごめんなさい、と呟いた声は掠れて届かない。


「やーい、瑞祥が巫寿ちゃん泣かせた」

「うるせぇバカ聖仁! 男どもはどっか行ってろ!」


威嚇する瑞祥さんに「すみません」と咄嗟に謝って袖で顔を拭った。

胸の中から抜け出すと、私の両肩に手を置いて不安そうに顔を覗き込む。