「おっ、流石だな期待のルーキーズ! もうここまで登ってきたか」
「みんな怪我してない? 無理しないようにね」
浮遊霊御一行を鎮魂したあとまた修祓しながら頂上を目ざして進んでいると、その途中に木の上で休憩する聖仁さんたちに遭遇した。
よっと軽々と飛び降りた二人は余裕たっぷりに伸びをする。
「聖仁さん、瑞祥さん。お二人もペアを組んでたんですか?」
「それが聞いてくれよ巫寿〜。私はソロプレイするつもりだったのに聖仁が無理やりついてきて」
「人聞きが悪いな。去年無茶苦茶して審判を激怒させたから、こうしてお目付け役があてがわれるようになったんでしょ? 俺だって本気で実力試したかったのに」
そう言いながらむぅっと唇を突き出した瑞祥さんの頭に手刀を落とす。
お目付け役……? ということは聖仁さんはずっと瑞祥さんに付き添っていたということだろうか。
お目付け役がつけられるなんて、一体どんな事をしでかしたんだろう。
「……あの人、山火事起こしかけたんだよ」
恵衣くんがボソッと呟く。
なるほど。確かにそれはお目付け役がついてもおかしくない。