「禄輪さん!」
「おかえり巫寿。一年間お疲れさん」
ありがとうございます!と息を弾ませて駆け寄れば、硬くて大きな手のひらで私の頭を撫でる。
「薫から巫寿達が最終の便で帰って行ったと聞いてな、だったら待っていれば会えるかと思って。何でも最終日まで罰則を食らったんだって?」
にやりと笑った禄輪さんに慌てて「あれはとばっちりですっ」と抗議する。
カラカラと笑った禄輪さんは軽く私の頭を叩く。
「まぁ元気ならそれでいい。それで、巫寿と祝寿に色々話したいことがあるんだが、今から家にいっていいか?」
話したいこと?と首を傾げる。
「えっと、大丈夫です。丁度今日は玉じぃと恵理ちゃんも呼んで、焼肉をする予定だったので」
「確か巫寿の友達だったか。私が邪魔してもいいのか?」
「もちろんです。むしろ喜ぶと思うので」
喜ぶ?と不思議そうな顔をした禄輪さん。
ミーハーな親友の反応が目に浮かびプッと吹き出した。